前回からの続き、先週に配信したYouTubeフランス組曲第5番について。後編です!
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…さて、そんなわけでリサイタルに弾こうと決めてからの私。
全日本学生音楽コンクールという日本最難関の小学生のコンクールの課題曲とはいえ、”小学生が弾ける課題曲なのだから”…と、半ば軽い気持ちで挑んだのですが、そんな考えはすぐに打ち砕かれました。
やはりバッハは、簡単そうに聴こえる曲でもぜーんぶ奥深い!!
良い意味で仕上げるのがとても楽しかったですが、奥深い内容で、テクニックなどの基礎力はもちろんのこと、音楽性も共に確実に積み上げていかないと、一つ一つの曲の性格の違いを美しく表現することは困難だと思います。勉強が浅いとその浅さがすぐに幼稚な演奏となってしまう。
テクニックの面で一番難関なのはやはり最終曲であるジーグ。これはテンポが一寸の狂いもなく常に一定であることが必要なので、当然ながら音の粒が確実に揃っていることが絶対条件です。
プロでもある程度時間をかけて弾きこんでいないと、人前で演奏することには太刀打ちできない曲です。
最初のアルマンドは、全ての曲の中で比較的間違えずに弾くということに注視した場合には、ハードルが低め。元々歌心のある方や、左右の音量のバランス感覚に優れた方であれば美しく弾くことは出来ると思います。
あとは、一定のリズムを保つのとは対局にある、ある種”物語を読むような語り方”や”人が話す際に必要な息遣い”を聴き手に感じてもらえるような演奏にするという点で、サラバンドとルールはもっとも難しい曲です。
それこそジーグで必要とされる”技巧的な難しさ”こそないですが、聴き手がリラックス出来るような”余分な力が入っていない演奏を目指すこと”、そして何より、”説得力のある演奏“にするということをゴールとした場合、なかなか難しいテーマが山積みになります。
こんなことに注目して、演奏を聴いていただけるとまた新たな発見があるかもしれません♫