去る7月24日は、私が講師を勤めている音楽教室の発表会でした。
ここの教室の発表会は生徒数が多い為なのか(?)、2年に1度という隔年のスタンスで開催します。
それに1週間ホールを借り切り状態にして、朝から晩まで1週間発表会三昧です。。
私は今週の土曜日に他の演奏の仕事があるので、講師演奏の日にちは
土曜日から一番離した日にして欲しいとお願いして、発表会初日である
今日の出演にしてもらいました。
私の今回の講師演奏曲目はシューマン作曲の歌曲集”ミルテの花”の中の一曲である『献呈』をリストがピアノ曲に編曲したものです。
この曲との最初の出会いは私がハンガリーに留学していた時に師匠が開いた演奏会にて、でした。
師匠の演奏はいつも本当に素晴らしくて、こんな師匠の下で勉強することの出来る自分はなんて幸せなんだろう・・・といつもウットリしてしまう事が
多かったのですが、この時に弾かれた『献呈』は格別に美しく、感動したのを今でも鮮明に覚えています。
「この仕事(ピアニスト)は、人々にこんなに夢や感動を与えられるんだな〜」と、改めて感じさせられる新鮮な演奏でした。
それからまもなくその曲を自分で弾きたくなった私は、ハンガリーで行う
自分の初ソロリサイタルに向けて「この曲を絶対レパートリーにしたい!」と、その後レッスンに持っていくようになりました。
もともと原曲は歌詞がついている歌曲なので、まずはドイツ語の歌詞の意味と言葉のイントネーションに至るまで原曲をじっくりと聴きながら勉強した後に、ピアノ用に編曲されたこの曲のブレスの位置、フレーズの取り方、それに伴う加速と減速の仕方、感情の込め方、リスト独特の華麗な技法をより美しく聴かせる方法など・・・原曲と比べながら様々な事を徹底的に学びました。
技巧的かつ情熱的で美しいこの曲を一見美しいだけの曲にしてしまいがちですが、俗っぽかったり安っぽかったりする曲ではなく、いかに深い意味を持たせた曲に仕上げるか?という点で多くの勉強や技術を必要とし、学ぶ事が多かったです。
それ以来日本のソロリサイタルでもレパートリーで加えたりして時々弾いている曲なのですが、今回またみなさんの前で弾く事が出来てまた新たに多くの事を学びました。人前で弾くことで成長する、これは本当だと思います。
さて発表会に出演した子供達についてですが、たった一人で舞台に出て行き
頑張って演奏している後ろ姿を舞台袖で見送るたびに、毎回本当に感動してしまいます。どんなに小さい子でも、たった一人で誰の力も借りずに舞台に
立って演奏するのですから、本当にこれだけですごい成長なんですよね。
演奏自体が成功しても失敗しても、みんなこれだけで100点満点です。
今日まで頑張ってこられた生徒さん、レッスンにご協力いただいたご両親、みなさんお疲れ様でした。
夏休みはしっかりと遊んで、充電して下さいね〜。
最後に時間にすると5分に満たないようなこの曲1曲を聴くために足を運んでくださった方々、本当にありがとうございました!!!
「来た甲斐がありました!!」「すごい感動しました!!」という言葉を
色々な方からかけていただき、この仕事を選んでよかったなーと改めて思いました☆☆☆
29日の本番まであと少し、こちらも頑張ります!