澤田みづえの音楽活動ブログ

今日から新年度のレッスンが始まりました!

今日より”さわだみづえピアノスクール”の新年度のレッスンが始まりました!

初日にはふさわしくない雨に降られて、通ってくる生徒さんにとっては寒くて大変な一日でした。中には、水溜りにはまってしまい、靴下までビッショリとしている子もいて・・・。

発表会も終わり、気分も一新、当然宿題の曲も一新ですが、生徒を見ると
子供なりに計画性を持って宿題をこなしている様子が見えて、嬉しく思います。


私はとにかく練習が嫌いな子供でしたので、一回30分と決めて必ずピアノに毎日向かっているという男の子や、受験勉強や塾が大変な中ピアノとの両立を自ら決めて自分なりに一生懸命ピアノを続けている健気な(?)女の子などのレッスンをした後は、本当によくついてきてくれているなぁと感心しています。(でも、子供は褒めると”これでいいや〜”と思ってしまう子が多いので、私は”もっと出来るよ!もっと上を目指そう!!”などと言ってあまり面と向かっては滅多な事では褒めないのですが・・・。笑)

レッスンをしていると、譜読みをする際、まず譜読みが早い子は往々にして指使いや強弱などに注意が行かないことが多い事を感じるのですが、そのような子は音符を読む事自体には抵抗がなく、まるで平仮名やカタカナなどを読むかのように音符を読んでいることが多いです。

もちろん一つ一つの音符を数えながら拾っていく読譜法となると譜面を読む事はとてつもなく大変な作業ですし、模様のように読んでしまう事はもちろん大変に良い事です!

私も読譜が早い方でしたので、昔は例によって読譜の正確さに欠ける所がありました。(私の師事していた先生はとても厳しい先生でしたので、新しい曲を渡された次の週のレッスンはいつ音や指使いが間違っていると指摘されるか、本当に恐怖でした・・・。)

私の経験を振り返っても、他の人よりも読譜が早い人は、譜読みの時点でもう1ステップ先の事にまで目を向ける余裕があるはずだと思います。

音を読む能力に加え、あと少しの注意力と集中力を用いれば、音のそばに書いてある数字(指番号の事ですね)にも目を向ける事が出来ます。

音と共に指番号や、もう少し広い範囲に目を向けて強弱を見る事、自分自身の練習でそこまで出来れば、あとは音楽的な事(例えばフレージングを見て歌い方を研究するなど)まで出来るようになり・・・と着実に自分ひとりである程度の演奏が出来るようになるまでのステップアップになると思います。

読譜の苦手な子は、早い子よりも穴が開くほど丁寧に楽譜を見てくる子が多く、その分譜読み自体には時間がかかりますが、音間違いや指使いなどの間違いを注意される事が本当に少ないので(カタカナで”ド”とか”ラ”などを書き込みをしていたり、強弱や指番号にすでに自分でマークをつけてくる子もいます。自立した演奏への第一歩、すごい努力だと思います。)一見すると読譜の早い子よりも曲の仕上がりが遅そうに見えて、仕上がりの段階ではとっくに早い子を追い抜いている事が多いのです。

譜読みの早い子、時間のかかる子、どちらが優れているというわけではありません。(世の中には読譜の速さを競うような試験などもありますが、あれは音楽をやっていく上でのほんの一能力に過ぎません。)

音楽をきちんと仕上げる力が最終的には必要なわけですから、スタートに早い遅いが多少あるだけの話です。

自分がどちらのタイプでも、独自のやり方で自分自身で最終的には全て譜読み出来て演奏できる力がつくように頑張りましょう!!!

指使い、強弱が自分で見られるようになったら、フレーズなど、作曲家自身が書いた場合は、必ず守るように気をつけなければいけません。(出版社によっては、作曲者自身が書いたものではなく、後に第三者によって手が加えられたものもあるので、このような場合はあくまで参考までにするようにしましょう)

気持ちよく歌を聞いている途中、変なブレスやノイズが入ると気持ちはよくないですよね?

そのように作曲家の作った旋律(歌)を大切にする為に、指使いなどがヒントで書かれている事が多いのです。(指使いを守らないと、旋律の途中のへんなところで切れてしまうことが多いです)

強弱については、その作曲家がなぜここで強くしたいのか、ここではなぜ弱い音を必要とするのか・・・なぜ?なぜ?と多くの事を曲に投げかけながら頭を使って練習する事をおすすめします。

強さと一言で言っても”希望””情熱””絶望””傲慢”などなど・・・(段々雲行きが怪しいですが。笑)様々な種類の物が存在します。
弱さに至っても”優しさ””可愛らしさ””気弱さ””迷い””失望”(またまた雲行きが怪しくなっていきますが。)など色々とありますよね。

フォルテと書いてあるからいつも同じように強く叩くように弾く、ピアノと書いてあれば弱弱しく蚊の鳴くような音で弾くなどワンパターンではなく、前に書いたような想像の元に自分の音を沢山耳で聞きながら音質を調節していく。

私は趣味の方でもそれは出来るようになると信じています。

音楽は芸術です。芸術は、あらゆる想像力を必要とします。
私達は現代人ですから、バッハや、ベートーヴェンなど・・・昔の人が生きた時代背景は分かりません。ですが、あらゆる本を読んだり、人から話を聞いたりして想像する事は出来ます。

私は、”ピアノを演奏する”という事をただ指をタカタカと動かした結果鳴る音楽としてとらえるのではなく、その作曲家がその曲を通して人々に伝えたかった気持ちや(もしくは伝えたくなかった気持ちなどもあるかもしれません)旋律の美しさなどを本当に理解して弾ける生徒が育ってくれたらいいなという願いの元に、今後も指導にあたっていきたいと思っています。