私と長沼由希子氏が組むピアノデュオユニット”２０fingers”が出演する
ジョイントリサイタル（ルーテル市ヶ谷にて。）で演奏させて頂く曲目が
決定いたしました！！
１．ラフマニノフ / 組曲
２．ピアソラ / リベルタンゴ
・・・以上の二曲です！
ラフマニノフの組曲は、大学の時に組んでいた友人（※この方は、高校→大学の親友で公私共に？仲良くさせていただいておりました。学生時代からかなり優秀で、今は東京音大の助手をしておられます。）と二度ほど演奏させていただいた事がある曲です。
私は今だから時効で堂々と言えるのですが、ハンガリー国立リスト音楽院への留学が決まった時はまだ東京音楽大学の３年に在籍していて、その後すぐにハンガリーへ発った為、東京音楽大学の卒業試験を間近に控えながらもリスト音楽院にも在籍しているという、要するに日本とハンガリーを股にかけたちょっとしたビジネスマンみたいな忙しい二重学生生活を送っていたのです。（当時これが公になると、東京音大を退学かせめて休学してから留学しろと言われてしまう状況だったので・・・）
ハンガリーへと留学した約半年後、東京音楽大学の卒業試験（ソロの実技、学科の他に、２台ピアノアンサンブルのテストまであり、ハンガリーにて東京音楽大学のお偉い先生方には極秘の学生生活を送っていた私にはもちろんアンサンブルの授業に出る事も出来ず、いつも前述の友人には迷惑をおかけしていました・・・。本来は二人一組で受ける授業を、私のせいでいつも彼女は一人で受けるはめになっていたのです。ごめんね。。）を受ける為に一時帰国ということになったのですが・・・。
当然のことながら、デュオの合わせは半年間できませんでしたので、彼女とは日常の会話のついでのような感じで”ところで、今試験曲の練習はどんなかんじ？テンポとか、変わったら教えてね〜！！”なんてちょくちょくＦＡＸでのコンタクトはあったのですが、まだこの時はまだまだお気楽モードでいました。
”毎週定期的に二人でレッスンを受けられている通常のコンビとは違い、アンタ達は今まさに崖っぷちなんだよ・・・”と心底気づかされたのは、私が帰国して初めて迎えた１stレッスンでした・・・。
実際に弾き始めてみたら、お互い離れて練習していた時間の間に練習していたテンポの感覚が違い過ぎて、聴いた先生があまりのひどさにキレてました。そこで私達ははじめて自分達がまずいんじゃないか・・・と気づきました。笑。
二人一緒に合わせられるのは私が帰国できる試験ギリギリ直前の期間のみという今から考えると血の気がひく危険この上ない状況の上に、お互いソロの曲も練習しながらアンサンブルの合わせの時間を作るのが非常に難しいという時間的な問題も重なり、結果実質2回程度の合わせのみで本番だった恐怖を今でも忘れません。ホント、若いってある意味すごい〜。
しかしながら、つじつまをなんとか本番という焦点に合わせてくる性質にある二人の事、又相方が非常に優秀な人物だった事にかなり助けられて、本番は息の合ったところを不自然な程にアピールし（笑）、こんな不利な状況でもなんと試験本番ではデュオ部門において自分達でも信じられないような高得点をマークし、なんと学内トップ、及び過去最高得点だったのでした・・・。神様って、どうしようもないと、見かねて降りてくる時あるんでしょうね。（涙）
そんなこんなで、二人とも何がなんだか分からぬまま興奮気味の講師に”是非デュオの卒演には二人揃って出てみんなの手本演奏をして欲しい！！！”という懇願に驚いたまま断れず、私は結局ハンガリーへ再び発つ予定だった日にちを延ばしてまで出演したのでした。（なのになんとソロの卒演は出演を蹴ったのです・・・早くハンガリーへ帰ってしたい事があったのでしょう・・・思い出せませんが。卒演当日は”風邪で欠席”というあり得ないアナウンスが冷ややかに流れたそうです・・・。今思えばこっちにこそ出るべきでした。）
そんなわけで思わぬところから大学の思い出話に花を咲かせてしまいましたが（一人ですが。笑）、このラフマニノフの曲を又別の相方と演奏する事で新たにどんな世界が広がるのかとても楽しみななのです！
疲労困憊な時や、体調が優れない時に練習すると、絶望的な気分になるほどテクニック的にも音楽的にも壮大なものを感じさせるラフマニノフなのですが、本当に大好きな作曲家なので、彼の作品のよさを少しでも表現出来たらと願って練習に励みます。
一方ピアソラのリベルタンゴは、チェロとのデュオでしょっちゅうやらせていただく曲で、わりと皆さんに聴いていただいている機会が何かと多いように思うのですが、今回はピアノデュオという初めての試みでどこまでピアソラの情熱やリズムの格好良さを表現できるかが自分の事ながら興味深いです。
他の出演者たちもそれぞれにコンビを組んで、２台ピアノに挑みます！
華やかで楽しいジョイントリサイタルになりますよう、皆さんも是非是非
足を運んで下さいね♪