澤田みづえの音楽活動ブログ

ボッケリーニ チェロソナタ イ長調 G.4について

さて。

また木曜日の20時、数分前に新たな曲が配信されました!

ボッケリーニのチェロソナタ G.4 イ長調

…ボッケリーニ…?

この名前をよく知っているという方!おそらくピアノだけではなくいろんな弦楽曲をお聴きになる方ではないでしょうか。ピアノはソロの楽曲しか弾かないし、聴かないわって方はきっとご存知ない方も多いのではと思います。

ハイドン、モーツァルトと同年代の作曲家でありながら、やはりピアノ界ではハイドン、モーツァルトの方が知名度は圧倒的に上ですよね。

ただ、決まったモチーフの使い回し(←言い方)をする”ソナタ形式”のような形式にはめて作曲することを重んじていたその時代の他の作曲家とは一味異なる独特な作風であるといわれていて、複数のメロディーを巧みに繰り返し情緒感を出していくのがその特徴だと言われています。

聴いた人は、これ、どの時代の作品?ロマン派?そう思いきやバロック…?などとなるという感じ。つまりその時代には珍しかった、自由な作風という感じなのですね。

今ではチェロもソロを立派につとめられる味わい深い楽器として広く知られていますが、昔は通奏低音に使われるような地味な役割に徹していたといいます。もったいない!

しかし、ボッケリーニがチェロのヴィルトゥオーソであったため、自らを主演奏者とする即興性を生かした音楽を作ったことで、そのような固定概念にとらわれない斬新な雰囲気の曲がどんどん出来ていったようです。なるほど、自分が弾きたいと思う曲を作っていくということですね。

しかしながら、当時の他作曲家がこぞって作曲した”形式ばった作曲スタイル”からすると斬新だったものも、現代で聴くと、とても美しいメロディやハーモニーが特徴で、抵抗なく心に染み入ってくる音楽です。その後に訪れたロマン派、近現代と続くクラシック音楽の流行の流れをもうとっくに先取りしていたということでしょう。

私もチェリストの方と学生時代からよく舞台をご一緒する機会があったのですが、そのような機会に恵まれたからこそボッケリーニとの出会いや演奏も出来たわけで…その出会いに感謝の今日です。(笑)

とにかく美しく、作業用のBGMにももってこい(笑)の名曲です。

是非ご視聴いただけたら嬉しいです!