こんばんは!最近、夕焼けがとても綺麗な日が多くて癒されます♫
さて、昨日にYouTubeで新たに配信されました、フランツ・リスト作曲のロ短調ソナタ、34分くらい大曲であるのにも関わらず、自分が思ったよりも再生回数が上がってきていることに驚き(笑)とともに感謝しかありません。
既にご視聴いただきました方、ありがとうございます!しかし、正直長かったですよね…(笑)
改めて自分の演奏を見ると、こんなに長かったか…⁉︎って感じで。実は演奏している私は、20分くらいの曲とあまり変わらない感覚で弾いているんです。
もう終わるかも…⁉︎…え?終わらない?…今度こそ終わるのか⁉︎…あー、またもや終わらない…。の繰り返しで、ホント聴いている方も大変だなと。。中間部からは特に思わせぶりな旋律や展開でいつ終わらせてもおかしくないダラダラっぷり。(笑)
さて。この曲との私の出会いは、東京音楽大学ピアノ演奏家コースの卒業試験にこの曲を練習するように師匠に命じられた時でした。当時、確か30分以上40分以内みたいな自由曲だったのでこの曲なら組み合わせることなく1曲で挑めるということもあり、卒試では私も含め3人同じ曲を演奏していた記憶があります。
その卒試で初めて演奏し、ハンガリーのリスト音楽院でリサイタルを開いて演奏し、門下生の発表会で演奏し、コンクールで演奏し、そして日本の王子ホールで演奏(これが今回のYouTubeの動画です)し…と結構人前で弾いてきました。
ロ短調ソナタはよくある3楽章構成ではなく、単一楽章でぶっ通し休みなく演奏する曲です。
ピアノ曲を数多く書き残したリストにとってソナタは唯一この曲だけであり、その点でも興味深く思います。
リストは自身のテクニックに長けたところをこれでもか!とひけらかすような、『その手、どうなってんの⁉︎どうやって弾いてんの⁉︎』と人が演奏者の手を覗き込みたくなるような難技巧的な曲を数多く残していますが、その中でも様々な意味で最高位に君臨する傑作と言われています。
ここに彼はピアノ技法、作曲法の集大成を注入したばかりでなく、のちに標題音楽と呼ばれることにかる音楽創作の新理念をいちはやく取り入れて、ベートーヴェン以来のソナタ理念と完璧に融和させたと言われています。
しかし難解な難技巧な曲といったこの曲、発表された当時は、酷評も多かったとのこと。
“ロ短調ソナタは、いつもむなしく動いている天才の蒸気製粉機である。”←製粉機て。(笑)
“ほとんど演奏不可能な、音楽の暴力である。”←まぁ、、これはちょっと分かる。(笑)
“私はいまだかつて、支離滅裂な要素がこれほど抜け目なく厚かましくつなぎ合わされたものを聴いたことがなかった。”←厚かましくつなぎ合わされるって日常で使ったことない!
“この作品を聴いて、しかもなかなかの曲だと思うような人は、もうどうすることもできない。 ”←これは完全に弾く人の白旗あげた気持ちですね。
などなど。。しかしまぁ、なかなか皆さん好き勝手言いますね(笑)
私は、学生時代から数多くのリスト作品を弾いていたので、この曲も特に怯むこともなく淡々と練習を他の曲と同様に進めていって仕上げました。
超絶技巧大練習曲の方がよほどトリッキーでキー!ってなるところも多く技巧的には全然大変なのですが、この曲はとにかく尺が長いということもあり、技術面よりも表現や中身の処理が大変でした。
色々なキャラクターが次々と出てくるものの、それを連結している部分をいかに自然と繋げるという作業が難しいか。
スーッと次にいつのまにか入っていて、『…あ…そういえば、さっきのメロディと雰囲気がまた違うけど、いつ変わったの…?』ってなるのが正解なんです。
皆さん!リストのロ短調ご視聴は長いのでお時間がたっぷりある時や作業しながらがおすすめです。(笑)
演奏の終わった後の私は『ようやく一仕事終えた…』という顔をしているらしく(笑)、その表情にも注目してください。
私の解説で少しでも演奏を聴く際の楽しみが増えたら幸いです♫