演奏上で弾くのがまだ不安な場所がある時、大人の演奏はその部分のテンポをペースダウンして慎重に演奏する傾向にある方が圧倒的に多いのですが、子供はなんとその逆で加速します。(えー!笑)
ピアノは一度弾いてみた経験のある人だと分かるように、めちゃくちゃ頭を使います。
そのため演奏している間は、より意識をして、呼吸を深くし、脳にたくさんの酸素を行かせる必要があると私は思っています。
しかし、どんなに素早く次の準備をしなくてはならないアップテンポの曲でも、常に呼吸だけはゆっくりとしながら、今弾いていることの次のことを常に考えて演奏を繋いでいく作業は、経験値のまだ少ない小さな子供達にとっては大変な作業です。
考えることが多すぎて、時にキャパオーバーとなり、頭よりも先に精神が参ってしまって(笑)、次に自分が弾くべき音などを忘れてしまうという結果になることも少なくはありません。
なのでピアノを演奏する子供たちの多くは、息継ぎなどを悠長にしている間になんだか次の音とかやることを忘れてしまうような気がして、それなら息継ぎなく一気に勢いだけで弾き切ってしまおう!!というような極端な作戦に、無意識で出るようなのです。
さぁ、本番前のこの時期。
弾けていない部分、自信のない部分をすっ飛ばしてなかったことにするような演奏をしがちな子供達を、細部に渡りどこまでごまかしのない正直かつ丁寧な演奏に導けるのか…頭の痛い難問に、今年も私は挑み続けます。