他教室から当教室へと移ってきた生徒さんから以前の教室の様子を聞くと、”今は、令和ですよね?”と聞きたくなるような、昭和のレッスンからアップデートされていないような閉鎖的で威圧的な教室の雰囲気もあるようです。
自分の演奏は自分のものなはずなのに、ミスをしたらすぐに怒られる、先生の思惑と違う解釈で演奏するとそれを尊重されないどころか叱責される…など、さまざまな理由で堂々と先生の前で披露できずに萎縮していたとよく聞きます。
その子にとってその教室で過ごした日々は、スキルアップのためには必要な時間ではあったし、保護者の方からしたら先生にここまで弾けるようにしていただいたという点で感謝はしているが、肝心な生徒本人にしてみると音楽を心から楽しめなかった暗黒の時代だったりする。。(私もかつてはそういう生徒側だったので、よく分かります)
一方、当教室での方針は、
『失敗はレッスンの中でどんどんして欲しい!その方が得だよ!』
生徒たちには、これを直接的にも間接的にも繰り返し伝えるようにしています。
失敗はけして”悪”ではない。
なので、私のレッスンに慣れている生徒はおそらく自分が失敗することに対して過剰に怖がったりはしていないと思います。^^
当教室でよく見られる光景…間違えて弾いた時に自分でプッと笑ってしまえるような気軽な空気も、意外と大切なんだよなぁと思っています。
レッスンの中で失敗してくれないと、私もどんなことを教えていけば良いのかその子にとっての課題を見失うので、失敗推奨型レッスンです…(笑)。。
つまり、『失敗した方が得なんだ!』と早く気づいた人からぐんと上手くなる!ということですね。(^o^)
ピアノを弾いていると、『ここは得意!』と思ったら、すぐに『ここは弾きにくい』と感じる場所が現れて、とにかく身体的にも精神的にも忙しい。そしてそのどれもが本番は一発勝負。
そんな大変なことのひとつひとつに、くよくよしていたら、演奏なんて正直なところやってられない!(笑)
当教室の生徒さんたちに見られるのは、
発表会での他の生徒さんの演奏を、温かい気持ちで聴くことが出来る
という特徴。
発表会後の感想を聴くと、自分の演奏の反省点ばかりではなく、他の方の心に残った演奏を褒めていたり、自分もああいう風にいつか演奏したい!などと憧れて頑張る気になっていたり。
とにかく人の良いところに目を向ける傾向にあり、これは当教室の自慢だなぁと思っています。^_^
失敗に対して負のイメージをあまり持ちすぎず本番に挑んでいる生徒だからこそ、人の演奏に対してあら探しをしないのかな?とも思っています。
他人の演奏を聴いた時、
その裏にある努力までに思いを巡らせ、唯一無二であるその人の音色や身体の使い方を熱心に見て研究し、そしてその人の持つ世界観をリスペクトし、心から楽しんで演奏を聴くことが出来る。
芸術の本来の姿は、競争ではありません。
世の中、コンクール至上主義で生徒さん同士でもギスギスとした雰囲気の教室も多いようですが、当教室でレッスンを受けていただいている生徒さんたちには、唯一無二である自分の演奏が、紛れもなく本物の芸術であるという自信を持って突き進んで行って欲しいなと思います。
そして他の人の演奏に触れる時、その演奏の中に自分に無いものを見つけ、リスペクトし、感銘を受けて切磋琢磨出来る心の豊かさを、常に身につけていて欲しいと願っています。