澤田みづえの音楽活動ブログ

さて。いきなりですが、クイズです。

【問題】音楽と関係の深い教科って何でしょう?

【答え】国語…?

国語は音読などを通して、人の心情を読み解いたり、挿絵のない部分を文の中から読み取って、場面を想像したり。

確かに国語は、音楽とは切り離せない世界観を持っています。でも、もっと深く繋がっている教科があります。

【答え】じゃあ…図工?

確かにそうですね。図工は芸術分野なので、当然音楽とは根底の部分は一緒。絵や作品で表現するのか、楽器や歌という手段で表現をするのかの違いです。そういった意味では近いですよね。

しかし、これよりも楽譜を読み解く上で、切っても切り離せない教科があるんです。

…思いつく方、いらっしゃいますか?o(・x・)/

じゃあ、答えいきますね?^^

【正解】

算数

です!

えー!なんで?意外!!(・・?)

と、思われた方もいらっしゃるでしょうか。^^

音楽の譜読みをする上で、必要不可欠な力、それは算数の分野にある分数なのです。

これがまずきちんと理解できていないと、リズムをきちんと取ることが出来ません。

この分数の感覚が薄かったり、習得できていなかったりするお子さんは、楽譜に書いてある拍子記号やリズムを、常になんとなく聴き覚えで弾くことを選んでしまいます。

そして、それは自ら理論的に楽譜を読み解いて、正しいリズムで演奏することが出来ないことを意味します。

ただ、初心者の段階で弾く曲は簡単なリズムしか出てこないので、分数をさほど理解してなくても弾くことが出来ることも多くあります。

 

しかし曲のレベルが高くなってくると、リズムはより複雑さを増し、1拍を単なる1つの単位として捉えたのでは正確にリズムを打つことが出来なくなるため、拍を何分の1かに分割してカウントする必要が出てくることも多くなります。

その頃くらいから、算数の感覚が身についている子はリズム打ちが得意になり、逆に算数が苦手な子はリズム打ちに苦しむようになります。

これまで私が指導してきた経験上、講師などの力を借りずにまずは自分一人で譜面を読んで弾けるようになるかどうかは、“リズムがきちんと数の感覚で理解できているか”にかかっていると言っても過言ではありません。

私は、リズムは先生のお手本を聞いてなんとなく真似出来れば良いとは思っていません。聴き覚えを推奨している教室も世の中には多いようですが、それは講師が楽をしているだけの場合もあるので、要注意です。

リズムを数の感覚で理論的に教えるのは当然ながら講師の仕事ですが、数の感覚が薄い生徒に教え込むことはとても困難で時間がかかるため、『じゃあ私の弾くのを聴いて真似して!』『あ、そんな感じ!じゃあそれでOK!』とすることで、表面上では譜読みが進んだように見えます。

しかしここでリズムの理解という勉強すべきところを省いてしまって後回しにすると、事態はさらに深刻化します

その例として、思い出したエピソードを1つ紹介しますね。

これは以前、音高を受けたいというご希望で中3のお子さんが当教室へ体験に来た際に、世の中にこんな先生がいるんだ!?と、相当驚き、ショックを受けた出来事です。

その子は、コンクールなどでも入賞するような腕前でショパンなどの難曲も弾くのですが、私が体験レッスンで楽譜を指差しながら『ここの音の繋ぎ方をもう少し丁寧に…』とアドバイスしだした際、明らかに目が泳ぎ出しました。

そして、私が言っているところが楽譜上のどこにあるのかよく分からないようで、焦点が終始合わないのです。

私はその後も何個かアドバイスをする際に、ある疑念が沸きましたが、そのたびに何回も打ち消しました。

『…まさか?…いやいや、違うよね。こんなに難曲を弾くレベルなのだから、そんなはずはない。。』

…しかし、その予感は的中しました。

その子は、全く楽譜が読めなかったのです。

驚いて付き添いのお母様に伺うと、以前指導を受けていた先生にはいつも『楽譜なんて読まなくても良いから、私の弾くのを録画していって、家で繰り返し真似をしなさい。それで良いから。』と導入期の頃から言われていた。

楽譜の読み方さえ教えてもらったこともないし、弾ければそれで良いのだと思っていたと。

私はあまりに酷い指導に、言葉を失ってしまいました。

そして、その子には残念ながらこの時期からの音高受験への準備はかなり厳しいという結論をお伝えしなくてはなりませんでした。

学校によっては、過去のコンクール実績などで入学自体は考慮されるところもあるのかもしれませんが、そのような状態で音高に入ったとしても、入学したその日からすでにレッスンについていけなくなるのは目に見えていたからです。

私はピアノを生徒たちに指導する上で、

楽譜が自分の力だけで読めるようになること。そして楽譜通りに、正確に演奏することが出来ること。

という、クラシックの基礎中の基礎であることを、とても重要視していますし、これは避けて通ってはいけない項目だと思っています。

『この子は理論的にリズムを理解していないな』と感じたり、その他譜読みに関して『怪しい…( ;∀;)』とレッスンで思うことがあれば、時には曲の進度が遅れてでも、一度きちんと立ち止まって、しっかりと教えるということが本来講師として当たり前の話です。

もちろん身体的ハンデなど、理由があるのであればそのような方法で教えることも良いでしょう。でも今回のような例では、その先生がその生徒を教えられなくなったタイミングで路頭に迷わせてしまうことになります。音高などでは音大の教授がレッスンを担当します。その際に、譜読みを教えてくれる先生は皆無だからです。そんな無責任な指導があってはならないと思います。

…と、いう流れで。昨日のレッスンの話です。

発表会の曲の譜読みを横で見ていたところ、”拍を数の感覚として捉えていないな”とレッスンで感じたことがあったので、すかさずこのようなメモ書きをしながら説明。↓↓↓

…分かる人には分かる。(笑)

しかし、分からない人にとっては、何のこっちゃ?な、いたずら書き。(・・?)

昨日はこれを書きながら拍について、熱〜く解説させていただきました!しかし、その生徒さんの理解度は私の予想で2割くらいな感じだったので、100%分かるまで、少しずつでもしつこくしつこく何度も説明しようと思います!( ̄^ ̄)ゞ

先生は絶対諦めないよー!(笑)