ビギナーレベルのレッスンにおいて、何を重要視するか?
前回に引き続き今回は”手の形、指の形”についてのお話です。
長年ピアノをやってきた人でも(音大生などプロの卵でも)
変な癖や、楽な癖を見つけてしまったりしていて、
なかなかパーフェクトなフォームの人は残念ながら少ないと
思います。
これも
「プロではないのだから、手の形、指の形はあまり意識しなくても
いいのでは?」
などと思うような講師の指導の犠牲となっている例が残念ながら多く
あるように思います。
昔のピアノの講師なら当たり前のようにさせていた
「卵をそっと持つような丸みを帯びた形で。
指の付け根や指先の第一関節はつぶれないように」
という基本中の基本は今の時代あまり浸透してないのを
私は色々な演奏者を見て痛感しています。
その弊害は、均等なリズムを刻むべきところでリズムが安定しない
(”ころぶ”と言われている現象です)弾きたい音量で弾けない、
指先がぐらつくのでフニャフニャとした頼りない音になる…
などと悪い事を挙げればきりがないです。
悪いフォームを良いフォームに直し、それを頭で意識しないでも
体に身に付かせるまでにはかなり労力がいりますが(但し個人差
があります)、一時的にでも直しそれを毎日意識する事で継続
させる事は本人の意識の強さ次第ではもちろん可能です.
ここからは演奏経験者の話になりますが、たとえば8分音符まではころばずにかろうじて
均等に弾けるけれど16分音符より細かい音符になると必ず転んだり走ったりしてしまうと
いう人は、まず指先から数えて1つめの関節である第一関節がつぶれてへこんでしまい、
つぶれているような指先で弾いているのを直すだけで良い方にいっぺんする事が非常に
多いです。これは年齢、レベルに問わず殆どの場合、非常に即効性がある方法です。
その際、正しいフォームで弾いてみせる講師の見本が不可欠ですので
こちらも良い講師と出会えるか(講師のレベルも様々です)が別れ道になって
しまいます。。