澤田みづえの音楽活動ブログ

ビギナーレベルのレッスン ☆楽譜を見て弾ける人に… 編☆

前回のブログで、ピアノビギナーの方のレッスンについて私が重要視している事を
お話致しました。

今回はその解説を少し詳細にしたいと思います。

まず…

☆ なるべくいつも楽譜を見て、手を見ないで弾く

という点について今回はお話致します。

これは、他の音楽教室(指導者)から来た生徒を教える事になる時に
半数(か、それ以上)の生徒が出来ているようで出来ていない事が多く感じる
項目です。

手を見て弾く癖がついている場合、その癖を取りのぞく事は本当に大変な事です。

一見楽譜を自然に見て弾けているように見えて、実はレッスンの時に不意につっかえたり
した時に「今、どこですか??」と(楽譜を見て弾く事が出来ない為、最初の譜読みの
段階で早々と適当に暗譜してしまっているケースです)自分の弾いている所が分からず
慌てて私に聴いてきた時に、『あぁ、この子もか。。』とはじめて分かるケースもあります。

世の中には色々なメソードが出回っていて、中には「音を聴いて、聴こえた音を耳で
覚えてそのまま弾く」という事を推奨してしまい、楽譜を一切読めなくても良し
とする極端なものもあります。

そのようなメソードでやってきた生徒さんは、楽譜を読めません。
これまでピアノをやってきて指は動くのにも関わらず、「これはドだよ」という
初歩からやりなおさなくてはいけないのです。

絶対音感、相対音感などは、特殊な訓練を厳しく受けた者にしかつかないようなイメージ
が世間的にはあると思います。
ですが実際はそこまで困難ではなく、ピアノのお稽古が好きで練習をある程度一所懸命
行っていたら自然につくケースも少なくありません。

いわゆる耳コピ、とよく言われますが、耳で聴いた音をピアノの音にしてサラサラと
弾ける人は『すごい!!!』などと言われがちで、それなら楽譜が読めなくても
不便ではないのでは?なんて思われる方もいるかもしれませんね。

けれども、必ずそういったケースにはかなり大きな弊害があります。

ある程度ピアノを続けていて、指もきちんと動き、弾く技術はけして不自由なわけでは
ないのに、楽譜が自分で読めないので音源を繰り返し聴かないことには新しい曲に
取り組む事も出来ないのです。見本の音源が見つからない曲になるとお手上げに
なってしまいます。

そこまでは極端な例ではありますが、そういったメソードでやってきたわけではなく
普通にレッスンを受けているはずの生徒でさえ、そういった傾向にある子が結構います。

クラシック音楽を弾く場合に大切な事の1つは、自分でアレンジしてその時の感覚で
弾くアドリブ部分が多いジャズやポピュラーなどと決定的に違います。

いかに作曲家の意図をくみとり、作曲家の表現したかった世界を忠実に表現出来るかが
クラシック音楽においては非常に大切です。

それが明確にヒントとしてあらわれているのは唯一”楽譜”上においてだけです。

作曲家からのメッセージを受け取る方法は、楽譜をしっかりと穴が開くほど見つめて
速度表示から強弱、こまかい表現方法の表示まで細かく見る事以外にありません。

この事が習慣づいた人は、譜読みから仕上げまでの時間が圧倒的に短く
演奏の完成度も高いです。

また、完成度が高いとたとえ趣味でピアノをやっている人でも、
講師にあれこれと指示されそれに従うだけというレッスンではなく、
自分である程度人に聴かせられるレベルまで曲を仕上げて、それに対して
より高いレベルのコードなアドバイスを講師から受けられるので
本当に充実した音楽ライフを送る事が出来ます。

音が遠くに飛ぶ時、苦手ではずしてしまいがちな音の時など手元を一瞬見た方が
良い事ももちろんありますが、原則的には楽譜から目を離さずに楽譜の指示どおりに
弾く事が大切です。

これは慣れるまで生徒さんも大変だと思いますし、講師側もかなり気をつけて
気を張っていなくてはいけない事なので労力が多くいります。
なので、私は初めからそのような困った癖がつく前からしっかりとその点を指導します。

楽譜を見て弾くメリットを心から感じ、信念をしっかりと持って指導しています。